149 民話 カアラとカアイアリイ(1.はじめに)

(新しいお話の始め)

お話の舞台


お話の舞台は、オアフ島とハワイ島の間にあるラナイ島です(*1)。
島の南西部、深い渓谷が海に流れ出る河口付近に、カウノルと言う村がありました。

その沖合に豊かな漁場があることから、ここには多くの漁師たちが住んでいました。
また、古くから国を治める王が住む地でもありました。



主な登場人物

・カアラ(Kaala)
カメハメハ大王を歓迎するため集まった多くの若い女性の中で、最も輝いていたのがカアラでした。
彼女は甘い香りを漂(ただよ)わせる、「香りの女」でした。

・カアイアリイ(Kaaialii)
カアイアリは大王に仕える戦士で、カアラの美しさに一目惚れしてしまいます。
大王の命でマイロウと格闘して相手を倒し、カアラと結婚することを許されます。

・ウア(Ua)
ウアはカアラの友達です。
カアイアリイを助けながら、姿を消したカアラを探します。

・オプヌイ(Opunui)
オプヌイはカアラの父です。
自分の娘が、かつて戦った敵の戦士と結婚することになります。
憎しみにかき立てられた彼は、娘を海に隠そうと決意します。

・カメハメハⅠ世(Kamehameha Ⅰ)
カメハメハⅠ世はハワイ諸島を初めて統一した大王で、スポーツや魚捕りが大好きです。
カウノル村には彼の家があり、しばしばそこを訪れて魚捕りを楽しみました。

・マイロウ(Mailou)
マイロウは顔に傷跡があるボーン・ブレイカーです。
ハワイの伝統的格闘技(Lua)の、ボーン・ブレイキング(骨を折る)、と言う技(わざ)が得意な人です。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 15.Kaala and Kaaialii, A Legend of Lanai, W.M. Gibson.