191 プナホウの泉(3.双子を義母が追う)

(前回からの続き)

虐待に耐え切れず家を出る

義理の母の虐待は少しづつひどくなり、遂に双子の子供たちも耐え切れなくなりました(*1)。

彼女は彼らから食べ物や衣服、そして水さえも取り上げたのです。
そのうえ、事あるごとに彼らを見下したり馬鹿にして、恥ずかしめました。


絶望のあまり、彼らはヌウアヌの断崖上にそびえる最高峰コナフアヌイへ逃げました(N.1)。
しかし間もなくすると、無慈悲な義母ハウェアに見つかり、そこから追い払われてしまいました。


彼らは仕方なく、ヌウアヌ谷の東隣にある、マノア谷の一番奥へと向かいました。

義母は双子を連れ戻そうとした

一方、義母は双子をヌウアヌから追い払っただけでは、満足しませんでした。
彼らが日々の虐待から逃れること自体が、気に入らなかったのです。

彼女は彼らを捜して、ありとあらゆる場所に行き、
そして遂に見つけ出しました。

その時、彼らの目印になったのが、あの虹でした。
マノア谷の一番奥には、雨や霧の後にいつも虹が見えたのです。

彼らは再びそこを追い払われ、カアラに帰るように言われました。
家に戻れば、義母は常に双子を監視できるからです。

(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) コナフアヌイ (Konahuanui) :
コナフアヌイは、ヌウアヌ谷の最上流部にある断崖ヌウアヌ・パリの中で、標高が最も高い地点(960m)の呼称です。
このコナフアヌイは、オアフ島東岸沿いに長く延びる、コオラウ山脈の最高峰でもあります。 

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅻ.The Punahou Spring. Mrs.E.M.Nakuina.