(前回からの続き)
私たちは、2人のカフナが住む地に移動しましょう(*1)。
そこはオアフ島のワイメア渓谷の南側で、2人のカフナは漁師でもありました。
すると網にかかったのは、人の頭ほどもある大きな石灰岩の石が1つ、それとブリモドキが一匹でした(N.1)。
彼らはブリモドキを放してやり、それから、石を海に投げ返しました。
そして、彼らは再び網を打ちました。
するとまた、あの石とあのブリモドキが、かかりました。
さらに3度目に引き上げた網も、また同じでした。
「この石はきっと、ある神を象徴する像に違いない。」
そして、2人のうちの年配の者が言いました。
「この石を陸地に持ち帰ろう。そして神像として据えよう。
しかし、このブリモドキは放してやろう。」
そうです、持ち帰った神像を、ワイメア湾の南側にある断崖の角(かど)に、据えたのです。
それから、神像の周りに囲いを作りました。
さらに、ごつごつした断崖の上面をならして、平らにしました。
その際、平らな石を何枚も敷き並べたのですが、
不思議なことにその石は、神像のすぐ近くにありました。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ブリモドキ(pilot fish):
ブリモドキ(学名:Naucrates ductor)は、その名の通りブリに似た魚です。
また英名はパイロット・フィッシュで、大型魚や船などに付いて泳ぐ習性、があることを示しています。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 23. Kaneaukai: A Legend of Waialua. Thos. G. Thrum.
ワイメア渓谷に住むカフナ
モクレイアの人々には、めったにない大漁を楽しんでもらうことにして、私たちは、2人のカフナが住む地に移動しましょう(*1)。
そこはオアフ島のワイメア渓谷の南側で、2人のカフナは漁師でもありました。
港で網を打つ
ある朝、魚を切らした彼らは港に行き、運だめしに魚網(ぎょもう)を打ちました。すると網にかかったのは、人の頭ほどもある大きな石灰岩の石が1つ、それとブリモドキが一匹でした(N.1)。
彼らはブリモドキを放してやり、それから、石を海に投げ返しました。
そして、彼らは再び網を打ちました。
するとまた、あの石とあのブリモドキが、かかりました。
さらに3度目に引き上げた網も、また同じでした。
この石はきっと神の像だ
そこで彼らは、こう考えたのでした。「この石はきっと、ある神を象徴する像に違いない。」
そして、2人のうちの年配の者が言いました。
「この石を陸地に持ち帰ろう。そして神像として据えよう。
しかし、このブリモドキは放してやろう。」
断崖に神像を据える
そして彼らは、その通りにしたのでした。そうです、持ち帰った神像を、ワイメア湾の南側にある断崖の角(かど)に、据えたのです。
それから、神像の周りに囲いを作りました。
さらに、ごつごつした断崖の上面をならして、平らにしました。
その際、平らな石を何枚も敷き並べたのですが、
不思議なことにその石は、神像のすぐ近くにありました。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ブリモドキ(pilot fish):
ブリモドキ(学名:Naucrates ductor)は、その名の通りブリに似た魚です。
また英名はパイロット・フィッシュで、大型魚や船などに付いて泳ぐ習性、があることを示しています。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 23. Kaneaukai: A Legend of Waialua. Thos. G. Thrum.