218 カペエペエカウイラ(2.あなたの妻になりましょう)

(前回からの続き)

ペレクヌ渓谷にヒナがやって来た



この地に伝わる伝説とは、次のようなものです(*1)。

父の名はケアホレ、母はヒイアカ・ノホラエ、そしてカペエペエカウイラは彼らの息子でした。

このカペエペエカウイラは毛深い男で、ハウプの尾根に住んでいました。
そして尾根の東側には、ペレクヌ渓谷があります。


ある時、そのペレクヌ渓谷に、ハカラニレオと彼の妻ヒナがやって来て、そこに住み着きました。
このヒナは、後からこのお話に登場する、カナの母です。


カペエペエカウイラが使者を送る

カペエペエカウイラは、カラヒキの美しい娘、ヒナがやって来たことを耳にします。
すると彼は自分の子供たちに、彼女を連れて来るよう命じ、彼女のもとへ行かせました。

子供たちはヒナに会うと、こう言いました。

「私たちの父である王が、あなたを妻にしたいと望んでいます。
そこで私たちは、あなたをお迎えに来たのです。」

あなたの妻になりましょう

彼女は聞き返します。
「私に何を望んでいるって?」

すると彼らが答えました。
「王の妻になって欲しいのです。」

これを聞いたカラヒキの美しい娘、ヒナは喜んでこう答えました。

「あなた方の父である、王のもとに戻りなさい。
そして、私がこう言っていると伝えなさい。

『あなたを夫にしてあげます。そして私は妻になりましょう。』」

(次回に続く)
[目次へ戻る]

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.