226 カペエペエカウイラ(10. 暗礁そして大波)

(前回からの続き)

暗礁に乗り上げる

彼らは、どんどん進んで行きました(*1)。

ところがある時、カヌーが硬い暗礁に乗り上げてしまいました。
ニヘイは大きな声を張り上げ、カナに詰め寄りました。

「ほら見ろ、カナ。あんた気楽そうに寝てるけど、
俺等(わしら)みんな死んじまうぞ。」

これに答えて、カナが言います。
「私らを殺すって? 一体全体、そりゃ何者だ?

そいつは -- 、そうだハウプの暗礁だ。
暗礁、それに岩塊や深い溝には近づくんじゃないぞ!

さあニヘウ、お前の魔法の棒『ワカイラニ』で、暗礁を叩(たた)きつぶしてやれ。」



魔法の棒『ワカイラニ』の威力

そこでニヘウは、カヌーが乗り上げた岩を、魔法の棒で強く叩きました。
すると岩は粉々に砕け、カヌーは暗礁から抜け出すことが出来ました。

こうして彼らは再び、カペエペエカウイラとの戦いに向け進み始めました。

恐ろしい大波に襲われる

ところが、監視役のニヘウが、また大声で叫びました。

「こら、カナ! なぜ眠ってるんだ?
わしら、ここで、また死んじまうぞ。

ずーっと顔を見せなかったな、この 居眠り好き野郎め!」

するとカナは、ニヘウにこう尋ねました。
「死んじまうって? 何故(なぜ)だ。」



「ほら、見ろ。」 と ニヘウが答えました。
「恐ろしい壁のような大波だ。

もしもわしらが、こいつを越えようとすゃあ、
頭の上から崩れ落ちて来て、わしらは皆ぶっ殺されてしまうぜ。」

すると、カナが言いました。
「よく見るんだ。私らの後の、あのハウプの暗礁を!

あいつら、私らをバラバラにしようとした。
だがその反対に、私らがあいつらをやっつけたんだ。

だから、目の前に敵が現れたら、お前の魔法の棒で殴ってやるんだ。」

魔法の棒が大波を裂く

そこでニヘイは、魔法の棒で大波に殴りかかりました。
すると大波の壁は、バッサリと深く裂けたのでした。

こうしてカヌーは、恐ろしい壁のような大波を、無事通り抜けることが出来ました。
それから彼らは再び、前へ前へと進んで行きました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.