227 カペエペエカウイラ(11. 怪物たちを倒す)

(前回からの続き)

巨大な怪物がやって来る

しばらくすると、再びニヘウが大声で叫びました(*1)。
「ああ、まただ。わしら死んじまうぞ。

見ろ、巨大な怪物がやって来る。
もしあいつに襲われたら、わしらまとめて殺されちまうぜ。」

あの巨大な魚の鼻を殴れ

するとカナがこう言いました。

「さあ、しっかり見るんだぞ。
そして奴の尖(とが)った鼻が、カヌーの前を通る瞬間に、お前の魔法の棒で殴るんだ。」



ニヘウは言われた通りにしました。
すると、ほら見て下さい! あのバカでかい物は、何と怪物のような魚でした。

彼らはそれをカヌーに引き上げて、皆の食料にしました。
この魚は驚くほど大きく重かったので、カヌーの縁は海面すれすれまで下がりました。

鋭い歯の鮫(サメ)

彼らは先に進み続けました。

そして次に目の前に現れたのは、大きく開いた鮫の口でした。
その中には鋭い歯が並んでいました。



この鮫もハウプを遠巻に守る衛兵たちの仲間で、カナたちを待ち受けていたのでした(N.1)。

「お前の棒で殴れ」 と、カナが命じました。
そこでニヘウが魔法の棒で殴ると、鮫は死んでしまいました。

巨大な亀

鮫の次に出会ったのは巨大な亀、これもハウプの衛兵の仲間でした。
あたりを監視していたニヘウの叫び声に、またも寝ぼけたカナが起こされました。

こうしてこの亀もまた、魔法の棒の一撃で殺されてしまったのでした。

ここまでにお話ししたことは、どれも皆、夜の間の出来事でした。

(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ハウプ(Haupu):
ハウプは今、カナたちが攻め込もうとしている、カペエペエカウイラ(Kapeepeekauila)の家がある場所です。

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.