(前回からの続き)
ちょうどその時、彼らの帆柱(マスト)が、木々の枝に引っかかってしまいました。
ニヘウは石をつかむと、上に向かって荒々しく投げ放ちました。
石は勢い良く木の枝にぶち当たります。
すると何本もの枝が、ガサガサと音を立てながら落ちて来て、マストは自由になりました。
するとニヘウが叫びました。
「さあ着いたぞ。おー、カナよ。また眠ってたのか。
もうカヌーは浅瀬に泊まったぞ。」
そこはまだカヌーの中で、地面ではありませんでした。
次に頭の上の様子を探りました。
するとカヌーのマストに、雑草が絡(から)まっていました。
それをグイッと引っ張ると、雑草と土が一緒に落ちて来ました。
そしてカペエペエカウイラが住む家のある、ハレフキまで漂って行きました。
彼の部下たちはハウプの頂上から、足下の岸に浮かぶカヌーを見下ろしました。
「あのカヌー、バカでかいぞ!」 と彼らは叫びました。
「あー! ありゃオピヒ(貝)だ。ヒナのためにハワイ島から来た荷物だよ(N.1)。」
と言うのは、オピヒは彼女の大好物だったからです。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) オピヒ(Opihi):
オピヒはハワイのアワビとも言われる一枚貝で、波の荒い岩場に生息しています。
マストが枝にからまる
そしてついに、深い夜の闇の中から夜明けの兆(きざ)しが、かすかに顔をのぞかせ始めました(*1)。ちょうどその時、彼らの帆柱(マスト)が、木々の枝に引っかかってしまいました。
ニヘウは石をつかむと、上に向かって荒々しく投げ放ちました。
石は勢い良く木の枝にぶち当たります。
すると何本もの枝が、ガサガサと音を立てながら落ちて来て、マストは自由になりました。
カヌーが浅瀬に着く
こうして彼らはさらに進み、やがてカヌーは静かに泊まりました。するとニヘウが叫びました。
「さあ着いたぞ。おー、カナよ。また眠ってたのか。
もうカヌーは浅瀬に泊まったぞ。」
絡まった雑草を取る
カナはまず、足元の感触を確かめました。そこはまだカヌーの中で、地面ではありませんでした。
次に頭の上の様子を探りました。
するとカヌーのマストに、雑草が絡(から)まっていました。
それをグイッと引っ張ると、雑草と土が一緒に落ちて来ました。
あのバカでかいカヌーは何だ!
その引き裂かれた雑草から、新鮮な香りが立っています。そしてカペエペエカウイラが住む家のある、ハレフキまで漂って行きました。
彼の部下たちはハウプの頂上から、足下の岸に浮かぶカヌーを見下ろしました。
「あのカヌー、バカでかいぞ!」 と彼らは叫びました。
「あー! ありゃオピヒ(貝)だ。ヒナのためにハワイ島から来た荷物だよ(N.1)。」
と言うのは、オピヒは彼女の大好物だったからです。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) オピヒ(Opihi):
オピヒはハワイのアワビとも言われる一枚貝で、波の荒い岩場に生息しています。