230 カペエペエカウイラ(14. ヒナを連れ出す)

(前回からの続き)

母ヒナが住む家に押し入る

3回目の挑戦で、ニヘウはようやく上陸に成功しました(*1)。
そして、そのままハウプの頂上まで登りました。


ヒナが住む家ハレフキに着くと、ニヘウはすぐに家の中に入りました。

「お前、なぜ、この立入禁止のドアから入ったんだ?」
と聞かれて、彼はこう答えました。

「なぜって、あんたが入る所を見たからさ。
もしもあんたが、よそから入っていりゃあ、わしだってこのドアからなんか入らんぜ。」

ニヘウがヒナを連れ出す

そしてニヘウが家の中を見ると、ほら、そこ!
カペエペエカウイラとヒナが、目の前に座って居たのです。

ニヘウはヒナの手を握ると、こう言いました。
「私ら2人で行きましょう!」

こうして彼女は立ち上がり、2人はそこから出て行ったのでした。

今こそ戦う時ですよ!

彼らはどんどん進み、断崖の崖っぷちまであと半分ほど、という時のことです。

カペエペエカウイラが大声で叫びました。
「これは一体どうしたことだ? あのヒナが行ってしまった?」

すると、カナの姉妹のモイが、答えて言いました。

「もしもヒナに居て欲しいなら、まさに今ですよ。
今、あなたと私で戦うのです。」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.