(前回からの続き)
「もっと先へ行きなさい。
この島の風上側を海沿いに進み、アナ・プヒ(ウツボの洞穴)まで行くのです(N.1)。
それは大きな洞窟で、ワイコル渓谷とペレクヌ渓谷の間の、険しい断崖の海面の高さにあります。
そこに、カウフフと言うサメの神、が住んでいます。
あなたは、このカウフフに助けを求めなさい。」
そこでカマロは豚を連れ、アナ・プヒに向けて出発しました。
この2人は、サメの神のカフでした。
「離れろ! 離れろ!」と彼らは叫びました。
「この場所はカプだ。
ここには誰も入れないぞ。
もしも入ったら、その時は死刑だ。」
と、カマロが聞き返しました。
「そんなもの、わしには、どっちでもいいんだ。
復讐さえ出来れば、それだけで十分だ。
殺されてしまった、可愛そうな息子たちの復讐をしたいんだ。」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) アナ・プヒ(ウツボの洞窟)(Ana puhi(eel's cave)):
アナ・プヒは、アナとプヒの2語から出来ています。
前半は、アナ=ana(ハワイ語)=cave(英語)=洞窟(日本語)です。
一方、後半は、プヒ=puhi(ハワイ語)=(*2)Gymnothorax ruepelliae(学名)<Muraenidae(科名)=ウツボ(総称(日本語))です。
すなわち、アナ=洞窟、プヒ=ウツボですから、これら2つを合わせた「アナ・プヒ 」は、「ウツボの洞窟」 と訳せます。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 17. Ai Kanaka, A Legend of Molokai, Rev.A.O.Forbes, p.186-192.
(*2) Mary Kawena Pukui, Samuel H. Elbert(1986) : Hawaiian Dictionary, Univ. of Hawaii Press.
ウツボの洞窟(アナ・プヒ)へ行け!
カマロの話を聞き終えた神官カヒワカアプウは、彼にこう教えました(*1)。「もっと先へ行きなさい。
この島の風上側を海沿いに進み、アナ・プヒ(ウツボの洞穴)まで行くのです(N.1)。
それは大きな洞窟で、ワイコル渓谷とペレクヌ渓谷の間の、険しい断崖の海面の高さにあります。
そこに、カウフフと言うサメの神、が住んでいます。
あなたは、このカウフフに助けを求めなさい。」
そこでカマロは豚を連れ、アナ・プヒに向けて出発しました。
洞窟に近づくな、そこはカプだ!
洞窟に着いたカマロは、そこでワカとモオに出会いました。この2人は、サメの神のカフでした。
「離れろ! 離れろ!」と彼らは叫びました。
「この場所はカプだ。
ここには誰も入れないぞ。
もしも入ったら、その時は死刑だ。」
自分の命なんかどうでもいい
「死か、それとも生か、だって?」と、カマロが聞き返しました。
「そんなもの、わしには、どっちでもいいんだ。
復讐さえ出来れば、それだけで十分だ。
殺されてしまった、可愛そうな息子たちの復讐をしたいんだ。」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) アナ・プヒ(ウツボの洞窟)(Ana puhi(eel's cave)):
アナ・プヒは、アナとプヒの2語から出来ています。
前半は、アナ=ana(ハワイ語)=cave(英語)=洞窟(日本語)です。
一方、後半は、プヒ=puhi(ハワイ語)=(*2)Gymnothorax ruepelliae(学名)<Muraenidae(科名)=ウツボ(総称(日本語))です。
すなわち、アナ=洞窟、プヒ=ウツボですから、これら2つを合わせた「アナ・プヒ 」は、「ウツボの洞窟」 と訳せます。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 17. Ai Kanaka, A Legend of Molokai, Rev.A.O.Forbes, p.186-192.
(*2) Mary Kawena Pukui, Samuel H. Elbert(1986) : Hawaiian Dictionary, Univ. of Hawaii Press.