251 アイ カナカ(6.ゴミの山に隠れろ)

(前回からの続き)

カマロが経緯(いきさつ)を話す

そしてカマロは、自分に降りかかった悲劇と、復讐のための放浪の旅、について話しました。

その上で、彼がここに来たのは、カウフフに嘆願するためだ、と説明しました。
さらに、自分の命はどうなろうと構わない、と言いました。

ワカとモオが味方につく

「なるほど。」 と 応じたワカとモオは、こう続けました。

「カウフフはわしらのボスだ。
今、ボスは漁に出ていて、遠くにいるんだ。

だが、ボスが戻った時に、お前をここで見つけたら、それこそ大変だ。
お前の命は勿論(もちろん)、わしらの命だって無いぞ。

しかしながら、お前を助けるために、わしらに何が出来るか、を考えて見よう。
そうだ、お前をこの辺(あたり)の、どこかに隠すのだ。

そうすれば、もしも運が良ければのことだが、 ボスが戻った時に、お前の目的を果たせるだろうから。」

ゴミの山に隠れろ

そうは言っても彼を隠す場所、それも、神が探しても見つからない場所など、どこにもありません。

そして、彼らが見つけた唯一の場所は、ゴミの山でした。
そこには、魚や肉の残骸、そしてタロの削りカスが、投げ捨てられていました。

そこで彼らはカマロとブタを、そのゴミの山の中にぐいっと押し込みました。
さらに上からタロの皮を被せて、彼らを覆(おお)ってしまいました。


こうしておけば、彼は身動き一つせずに居られます。

その上、海を見張ることも出来るのです。
--- 大きな砕け波が8つ、続けて来るのが見えるまで。

こうして彼は、カウフヌが漁の遠征から戻って来るのを、知れるようになりました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 17. Ai Kanaka, A Legend of Molokai, Rev.A.O.Forbes, p.186-192.