(前回からの続き)
その8つが溶けるように泡に変わったので、間違い無く、巨大なサメの神が上陸したのです。
そして彼のカフである、ワカとモオを呼ぶと、こう言いました。
「ここに、人間が一人いるぞ!」
彼らは、サメの神の疑いを、強く否定しました。
そして、この神聖な敷地を汚すようなことを、自分たちが許すはずが無い、と反論したのです。
どこか近くに人間が一人いる、と主張し続けて、こう言いました。
「匂いでわかるんだ。
もしも、わしが奴を見つけたら、お前らの命はないぞ。
もし見つからなかったら、その時は許してやろう。」
しかし、ゴミの山を疑うことは、全くありませんでした。
そして、もう探すのを諦めようとした、ちょうどその時です。
不運なことに、カマロの豚が「ギャー」と甲高い叫び声を上げました。
可愛そうにもこの声が、カマロたちの隠れ場所を、さらけ出してしまったのでした。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 17. Ai Kanaka, A Legend of Molokai, Rev.A.O.Forbes, p.186-192.
サメの神が戻って来た
そこで、暫(しばら)く待った後、8つの大きな波が現れると、次々と岩にぶつかって砕けました。その8つが溶けるように泡に変わったので、間違い無く、巨大なサメの神が上陸したのです。
ここに人間がいるぞ
人間の気配を感じたサメの神は、直ぐさま、クンクンとそのあたりを嗅ぎ始めました。そして彼のカフである、ワカとモオを呼ぶと、こう言いました。
「ここに、人間が一人いるぞ!」
彼らは、サメの神の疑いを、強く否定しました。
そして、この神聖な敷地を汚すようなことを、自分たちが許すはずが無い、と反論したのです。
匂いでわかるんだ
しかしサメの神は、納得しませんでした。どこか近くに人間が一人いる、と主張し続けて、こう言いました。
「匂いでわかるんだ。
もしも、わしが奴を見つけたら、お前らの命はないぞ。
もし見つからなかったら、その時は許してやろう。」
カマロの豚が叫び声を上げた
サメの神は、敷地内を隈(くま)なく、何度も繰り返し探し回りました。しかし、ゴミの山を疑うことは、全くありませんでした。
そして、もう探すのを諦めようとした、ちょうどその時です。
不運なことに、カマロの豚が「ギャー」と甲高い叫び声を上げました。
可愛そうにもこの声が、カマロたちの隠れ場所を、さらけ出してしまったのでした。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 17. Ai Kanaka, A Legend of Molokai, Rev.A.O.Forbes, p.186-192.