274 サメ男(18.サメ男が縛り上げられる)

(前回からの続き)

海の近くはどこも危険だ

このような惨事が幾度か続いたので、人々は恐怖に怯(おび)え苦しみました(*1)。
そして遂に必死の思いで、サメのカフナのところに、助けを求めに行きました。

というのは、この人食いザメの破壊的な攻撃のために、
現実にあらゆる種類の漁(りょう)が、全く出来なくなってしまったからです。

どこもかしこも海の近くは、安全とは言えませんでした。
--- たとえそれが、ごく浅い場所だとしても。

カフナの預言と指示

カフナは困り果てた人々に、こう教えました。
「ナナウエを待ち伏せしなさい。」

そしてその次の時、彼はこう預言しました。
「一人だときっと、頭のてっぺんから足のつま先まで、丸ごと食べられてしまうだろう。

だから力の強い者たちを集めて、奴を捕(つか)まえさせるんだ。

そして、奴のカパ布のマントを引き剥がさせるんだ。
そうすればきっと、背中からサメの口が見つかるだろう。」

サメ男が縛り上げられる

そして実際に、このカフナの指示通りに進められ、サメの口が確認されたのでした。

とはいえ、サメ男は大変強健だったので、とうてい一筋縄では行きません。
彼を捕まえて縛ろうとした時、サメ男は幾度か逃げ出しました。

しかし、最後は海辺の近くで取り押さえられ、がんじがらめに縛り上げられたのでした。



(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 24.The Shark-man, Nanaue. Mrs.E.M.Nakuina, p.255-268.