(前回からの続き)
そこでリヘウとカレナからワイアナエに通じる峠に、戦士たちを使いに遣(や)りました(N.1)。
さらにまたワイメア方面でも、カラキニに通じる寂しい小道に戦士たちを送りました。
彼らはそこで、ラーイー、アアショ(柵)、またはシダ、の後ろに隠れました(N.2)。
そして1人だけの旅人や、仲間から遅れた人を狙(ねら)って、待ち伏せしました。
旅人たちは容易に、筋骨逞(たくま)しいロ・アイカナカの男たちの、餌食になったものでした。
--- 何といっても彼らは、ルア(相手の骨を折って殺す格闘技)の達人、だったのですから(N.3)。
やがてこの失踪(しっそう)が、南方の首長が頻繁に行う催し物と関連があるのでは? と疑われ始めました。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ワイアナエ(Waianae)、ワイメア(Waimea):
ワイアナエはオアフ島の西岸、そしてワイメアは北岸にある海辺の町です。
(N.2) ラーイー(la-i):
ラーイーはハワイ語 "lau kī"の短縮形です(*2)。ここでlau=葉, ki=キー(植物のハワイ語名)ですから、ラーイーは「キーの葉」を意味します。また キー(ki) は、しばしば ティー(ti) と呼もばれるので、ラーイーは 「ティーの葉 = ティー・リーフ」 と言うことも出来ます。
なお、ラーイーの 学名は"Cordyline fruticosa"、そして 和名は「センネンボク」です。
(N.3) ルア(lua):
ルアは、相手と組み合って闘(たたか)う、ハワイの伝統的な格闘技です。相手の骨を折ったり、関節を外したり、また、神経中枢を圧迫して激痛を与えます。多くの技は秘密とされており、このルアの達人たちは、首長のボディーガードでもありました(*2)。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 13.Oahunui. Mrs.E.M.Nakuina, p.139-146.
(*2) M.K. Pukui, S.H. Elbert(1986) : Hawaiian Dictionary, Univ. of Hawaii Press, p.190,213.
ご馳走の材料、旅人を狙え
ロ・アイカナカは王家の訪問者に、大好物である特別のご馳走を振る舞おうとしました(*1)。そこでリヘウとカレナからワイアナエに通じる峠に、戦士たちを使いに遣(や)りました(N.1)。
さらにまたワイメア方面でも、カラキニに通じる寂しい小道に戦士たちを送りました。
彼らはそこで、ラーイー、アアショ(柵)、またはシダ、の後ろに隠れました(N.2)。
そして1人だけの旅人や、仲間から遅れた人を狙(ねら)って、待ち伏せしました。
旅人たちは容易に、筋骨逞(たくま)しいロ・アイカナカの男たちの、餌食になったものでした。
--- 何といっても彼らは、ルア(相手の骨を折って殺す格闘技)の達人、だったのですから(N.3)。
南方の首長が怪しい
このような事が幾度か続き、数え切れないほど多くの人が、姿をくらましました。やがてこの失踪(しっそう)が、南方の首長が頻繁に行う催し物と関連があるのでは? と疑われ始めました。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ワイアナエ(Waianae)、ワイメア(Waimea):
ワイアナエはオアフ島の西岸、そしてワイメアは北岸にある海辺の町です。
(N.2) ラーイー(la-i):
ラーイーはハワイ語 "lau kī"の短縮形です(*2)。ここでlau=葉, ki=キー(植物のハワイ語名)ですから、ラーイーは「キーの葉」を意味します。また キー(ki) は、しばしば ティー(ti) と呼もばれるので、ラーイーは 「ティーの葉 = ティー・リーフ」 と言うことも出来ます。
なお、ラーイーの 学名は"Cordyline fruticosa"、そして 和名は「センネンボク」です。
(N.3) ルア(lua):
ルアは、相手と組み合って闘(たたか)う、ハワイの伝統的な格闘技です。相手の骨を折ったり、関節を外したり、また、神経中枢を圧迫して激痛を与えます。多くの技は秘密とされており、このルアの達人たちは、首長のボディーガードでもありました(*2)。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 13.Oahunui. Mrs.E.M.Nakuina, p.139-146.
(*2) M.K. Pukui, S.H. Elbert(1986) : Hawaiian Dictionary, Univ. of Hawaii Press, p.190,213.