287 オアフヌイ (10.遺骨を首に巻く）

(前回からの続き)

亡霊の言葉は本当だった

父(レフアヌイ)は悩み苦しんだ末、彼が最も信頼する従者で護衛でもある者を、呼び起こしました。
そして真夜中過ぎに、２人はワイアルアを後にして家に向かいました。

彼らが王家の敷地内に着いたのは、夜明けでした。
２人はまず初めに、息子の霊が話したレフアの木の所に行きました。

見上げると木の枝に囲まれて、確かに２つの小さな頭蓋骨がありました。
それは大きな網目の漁網(ぎょもう)に入れられ、ぶらぶら揺れていました。

息子らの遺骨を首に巻く

その次に、レフアヌイは木の下にかがみ込みました。

そして霊に教えられた根のあたりで、木の葉や緩んだ土を掻(か)き取りました。
埋められていたタパ布の包み を広げて見ると、中には２人の子供たちの骨が入っていました。

父は頭蓋骨が入った網に手を伸ばすと、その中にタパ布の包みを入れました。
そして、その網を自分の首に巻き付けました。

従者を従え仇討ちへ

一緒に来た従者は、近くに控えていました。

もの静かに、そして深い悲しみに襲われながら、彼はこの光景を目の当たりにしました。
そして自分のご主人が、何をしようとしているか？ を十分に理解したのでした。

父は石手斧を用意すると、王が寝ている家に行きました。
この時、従者はまだなお、彼の後につき従っていました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 13.Oahunui. Mrs.E.M.Nakuina, p.139-146.