(前回からの続き)
その子は当時の慣習に従って、礼儀正しく育てられました。
そして、彼が十分自立できる年齢になった時、ある異変が起きたのでした。
このウツボは地元の人々から神として崇められ、祈られていました。
そして人々は、彼らの神が成した偉業について話し始めると、とめどなく続くのでした。
「ワイラウに1匹の大きなサメがやって来て、ウツボを攻撃しました。
戦いの中でウツボは、岩状の断崖絶壁の一部分を、サメの上に落としました。
すると岩塊群はサメを襲撃して、殺してしまいました。」
こうして深さが9mほどもある、洞窟が出来上がりました。
今でもそこには、あの大きく開いた口があります。
それは海面よりもほんの少し上で、あの岩の砦(とりで)の近くにあります。
そうです、あの有名なカペエペエカウイラが住んでいた砦です。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) プヒ(ウナギ目) (puhi(eel)):
プヒ(puhi)はハワイ語で、日本語で言うウツボのことです。ウツボにも数多くの種類がありますが、特に記載が無い場合は、学名が"Gymnothorax rueppelliae"、英名 yellow-headed moray eel”を指すようです(*2)。
ウナギ目(eel)の "eel" は英名です。ウナギ目にはウナギ亜目,ウツボ亜目,アナゴ亜目などがあり、さらにウツボ亜目の中にウツボ科>ウツボ亜科>ウツボ属Gymnothoraxがあります。本文に登場するプヒはこのウツボ属の中の一種であり、ウナギ亜目に属する日本のウナギとは異なります。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.
(*2) Pukui & Elbert(1986);Hawaiian Dictionary, Univ.of Hawaii Press, p.349.
アイアイの成長
この時期にクウラの妻は男の子を生み、彼らはその子をアイアイ・ア・クウラ(クウラのアイアイ)と名付けました(*1)。その子は当時の慣習に従って、礼儀正しく育てられました。
そして、彼が十分自立できる年齢になった時、ある異変が起きたのでした。
神と崇められるウツボ:コオナ
モロカイ島の風上側にあるワイラウに、コオナと呼ばれる大きなプヒ(ウナギ目)が住んでいました(N.1)。このウツボは地元の人々から神として崇められ、祈られていました。
そして人々は、彼らの神が成した偉業について話し始めると、とめどなく続くのでした。
今も残るサメ退治のお話し
その中の1つに、こんなお話しがありました。「ワイラウに1匹の大きなサメがやって来て、ウツボを攻撃しました。
戦いの中でウツボは、岩状の断崖絶壁の一部分を、サメの上に落としました。
すると岩塊群はサメを襲撃して、殺してしまいました。」
こうして深さが9mほどもある、洞窟が出来上がりました。
今でもそこには、あの大きく開いた口があります。
それは海面よりもほんの少し上で、あの岩の砦(とりで)の近くにあります。
そうです、あの有名なカペエペエカウイラが住んでいた砦です。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) プヒ(ウナギ目) (puhi(eel)):
プヒ(puhi)はハワイ語で、日本語で言うウツボのことです。ウツボにも数多くの種類がありますが、特に記載が無い場合は、学名が"Gymnothorax rueppelliae"、英名 yellow-headed moray eel”を指すようです(*2)。
ウナギ目(eel)の "eel" は英名です。ウナギ目にはウナギ亜目,ウツボ亜目,アナゴ亜目などがあり、さらにウツボ亜目の中にウツボ科>ウツボ亜科>ウツボ属Gymnothoraxがあります。本文に登場するプヒはこのウツボ属の中の一種であり、ウナギ亜目に属する日本のウナギとは異なります。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.
(*2) Pukui & Elbert(1986);Hawaiian Dictionary, Univ.of Hawaii Press, p.349.