(前回からの続き)
海辺に近いある場所に行けば、口を大きく開けた顎(あご)の骨を、今でも見ることが出来ます。
--- と言うのは、少し離れた所にある岩層が波に洗われて、どこかしら顎に似ているのです。
「プヒを焼くためにイムを作ったのだが、その近くにあるアラ石はどれも皆、加熱してもヒビが入らない(N.1)。
よそのアラ石は皆ヒビが入るのに、ここのだけ入らないのは、あの時にイムで熱したからだ。」
そして今もなお同じで、ここのアラ石はヒビが入らないのです。
そうです、アイアイが3つのアラ石でプヒを殺した、あの場所にです。
--- その岩層は長さが約9mで、細部までウツボの背骨にそっくりです。
さて、このプヒをアイアイが殺したことで、彼はハナの人々の間で有名になりました。
今回の捕獲は、この若者が父の職業を継ぐにあたり、最初の試みでした。
そして彼の知識は、周囲の人々から見ると、驚くほど素晴らしいものでした。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) イム(オーブン)(imu(oven)), アラ石(ala stone):
イムとは地下オーブンのことで、地面に穴を掘って、その底に加熱した石を敷いて作ります。かつてのハワイでは、大量の食物を素早くかつ効率良く料理するのに、最も容易な方法でした。また、神に捧げられ生贄(いけにえ)となる人間も、イムで焼かれました。
このお話では、プヒ(ウツボ)を焼くためにイムが作られ、その熱源として アラ石が使われました。そしてまた、アイアイがプヒを殺した時に投げつけたのも、同じアラ石でした。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.
プヒの頭はイムで焼かれた
頭部は切り離されて、イム(オーブン)で焼かれました(*1)(N.1)。海辺に近いある場所に行けば、口を大きく開けた顎(あご)の骨を、今でも見ることが出来ます。
--- と言うのは、少し離れた所にある岩層が波に洗われて、どこかしら顎に似ているのです。
ここのアラ石は他と違う
地元の人々は、こう言います。「プヒを焼くためにイムを作ったのだが、その近くにあるアラ石はどれも皆、加熱してもヒビが入らない(N.1)。
よそのアラ石は皆ヒビが入るのに、ここのだけ入らないのは、あの時にイムで熱したからだ。」
そして今もなお同じで、ここのアラ石はヒビが入らないのです。
背骨は今も溶岩上に残る
このプヒの背骨(イウィ・クアモオ)は、今もパホエホエ(溶岩)の上に横たわっています。そうです、アイアイが3つのアラ石でプヒを殺した、あの場所にです。
--- その岩層は長さが約9mで、細部までウツボの背骨にそっくりです。
さて、このプヒをアイアイが殺したことで、彼はハナの人々の間で有名になりました。
今回の捕獲は、この若者が父の職業を継ぐにあたり、最初の試みでした。
そして彼の知識は、周囲の人々から見ると、驚くほど素晴らしいものでした。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) イム(オーブン)(imu(oven)), アラ石(ala stone):
イムとは地下オーブンのことで、地面に穴を掘って、その底に加熱した石を敷いて作ります。かつてのハワイでは、大量の食物を素早くかつ効率良く料理するのに、最も容易な方法でした。また、神に捧げられ生贄(いけにえ)となる人間も、イムで焼かれました。
このお話では、プヒ(ウツボ)を焼くためにイムが作られ、その熱源として アラ石が使われました。そしてまた、アイアイがプヒを殺した時に投げつけたのも、同じアラ石でした。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.