311 クウラ ハワイの魚の神 (21.アイアイが両親に祈願する)

(前回からの続き)

不漁の現場をこの目で見よう

アイアイが、両親への呼びかけや友達への指示を、終えた時のことでした(*1)。

ハネオオの浜を、数人の人が魚捕り用の籠(かご)を持って、歩いているのが見えました。
彼らは海の中に籠をセットしたのですが、何一つ捕れなかったのでした。

アイアイは、この魚捕りの奮闘ぶりを直(じか)に見ようと、友達を誘ってその現場に行きました。

漁師たちに尋ねる

漁師たちの所にやって来ると、アイアイは彼らに尋ねました。
「あそこに据えてある物は、何をするんだい?」

すると彼らが答えました。
「ありゃー、ヒナレアを捕まえる籠(かご)だよ。


わしらの王カモホアリイが、やたらと欲しがるあの魚さ。
だが、餌(えさ)が無いんだ! その魚を捕まえるための餌が。」

「何故(なぜ)そんな事になるんだい?」と、アイアイが尋ねました。
そこで彼らが答えました。

「何故って、クウラと彼の家族が死んじまったからさ。
だからハナの海岸沿いでは、魚という魚はみんな、連れて行かれちまったんだ。」

アイアイが両親に祈願する

そこでアイアイは彼らに、籠を2つ貸してくれと頼みました。
籠を受け取った彼は友達に、それを持ってついて来るように言いました。

彼らが行った所は、海辺近くの小さな水溜りでした。
そしてその中に籠をセットすると、アイアイは両親に、ヒナレアをお授け下さい、と祈願しました。

彼が祈り終えるや否や、その魚たちがやって来るのが見えました。

その数たるや驚くばかりで、水溜りが1杯になるほどでした。
そしてそれでもまだ、魚たちはやって来るのでした。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.