(前回からの続き)
ハネオオの浜を、数人の人が魚捕り用の籠(かご)を持って、歩いているのが見えました。
彼らは海の中に籠をセットしたのですが、何一つ捕れなかったのでした。
アイアイは、この魚捕りの奮闘ぶりを直(じか)に見ようと、友達を誘ってその現場に行きました。
「あそこに据えてある物は、何をするんだい?」
すると彼らが答えました。
「ありゃー、ヒナレアを捕まえる籠(かご)だよ。
わしらの王カモホアリイが、やたらと欲しがるあの魚さ。
だが、餌(えさ)が無いんだ! その魚を捕まえるための餌が。」
「何故(なぜ)そんな事になるんだい?」と、アイアイが尋ねました。
そこで彼らが答えました。
「何故って、クウラと彼の家族が死んじまったからさ。
だからハナの海岸沿いでは、魚という魚はみんな、連れて行かれちまったんだ。」
籠を受け取った彼は友達に、それを持ってついて来るように言いました。
彼らが行った所は、海辺近くの小さな水溜りでした。
そしてその中に籠をセットすると、アイアイは両親に、ヒナレアをお授け下さい、と祈願しました。
彼が祈り終えるや否や、その魚たちがやって来るのが見えました。
その数たるや驚くばかりで、水溜りが1杯になるほどでした。
そしてそれでもまだ、魚たちはやって来るのでした。
(次回に続く)
[目次へ戻る]
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.
不漁の現場をこの目で見よう
アイアイが、両親への呼びかけや友達への指示を、終えた時のことでした(*1)。ハネオオの浜を、数人の人が魚捕り用の籠(かご)を持って、歩いているのが見えました。
彼らは海の中に籠をセットしたのですが、何一つ捕れなかったのでした。
アイアイは、この魚捕りの奮闘ぶりを直(じか)に見ようと、友達を誘ってその現場に行きました。
漁師たちに尋ねる
漁師たちの所にやって来ると、アイアイは彼らに尋ねました。「あそこに据えてある物は、何をするんだい?」
すると彼らが答えました。
「ありゃー、ヒナレアを捕まえる籠(かご)だよ。
わしらの王カモホアリイが、やたらと欲しがるあの魚さ。
だが、餌(えさ)が無いんだ! その魚を捕まえるための餌が。」
「何故(なぜ)そんな事になるんだい?」と、アイアイが尋ねました。
そこで彼らが答えました。
「何故って、クウラと彼の家族が死んじまったからさ。
だからハナの海岸沿いでは、魚という魚はみんな、連れて行かれちまったんだ。」
アイアイが両親に祈願する
そこでアイアイは彼らに、籠を2つ貸してくれと頼みました。籠を受け取った彼は友達に、それを持ってついて来るように言いました。
彼らが行った所は、海辺近くの小さな水溜りでした。
そしてその中に籠をセットすると、アイアイは両親に、ヒナレアをお授け下さい、と祈願しました。
彼が祈り終えるや否や、その魚たちがやって来るのが見えました。
その数たるや驚くばかりで、水溜りが1杯になるほどでした。
そしてそれでもまだ、魚たちはやって来るのでした。
(次回に続く)
[目次へ戻る]
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 21. Ku-ula The Fish God of Hawaii, Translated from Moke Manu by M.K. Nakuina, p.215-229.