315 カリウワア. 半神カマプアアが-- (2.絵に描いたような滝)

(前回からの続き)

珍しい地形ワア(カヌー)の先へ

上流に向けて400mほど進むと、目の前に珍しい地形が現われます。

案内人はそれを指さしながら、こう説明します。
「これは地元の人々が、ワア(カヌー)と呼んでいるものです。」

それから右に曲がると、今度は水無川に沿って上ります。

かつてそこには、かなりの水が流れていたに違いありませんが、
現在の川は、そこから50mほど離れた所を流れています。

絵に描いたような滝

そして我々は、硬い岩の壁に行く手を遮(さえぎ)られます。
断崖は目の前に垂直にそそり立ち、その高さは60mほどにも達します。

その断崖上の流れの全てが、美しい滝となって流れ落ちているに違いありません。

垂直にそそり立つ壁は、長期間にわたる水の作用で、溝形にすり減っています。
そしてそれがまた、すばらしく美しいのです。

そのなかで、我々は息を呑むようにして、この壮大な姿を見上げます。

しかし、それが如何(いか)にして形成されたかを知らないので、
我々はつい、こんな風に思い込んでしまうのです。

「私は今、ある素晴らしい芸術作品を、じっと見つめているんだ。」


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 18. Kaliuwaa. Scene of the Demigod Kamapuaa's Escape from Olopana. From "The Hawaiian Spectator", p.193-199.