319 カリウワア. 半神カマプアアが-- (6.魅力あふれる川の流れ)

(前回からの続き)

川そのものが美しい

このスポットの美しさは、生い茂った緑や、素晴らしい断崖とゴツゴツした岩、だけではありません(*1)。

渓谷の川の流れ自身が美しいのです。

この滝つぼから出発すると、眼下に見える一番下流に着くまでの間に、
さまざまな魅力あふれる光景が、次々と現れます。

岩の間をぬって流れる

ある所では、せき止められた水が、勢いよく噴き出しています。
そしてしばらくの間は、流れを遮(さえぎ)る石の間を、四苦八苦しながら進みます。

よどみの渦から抜け出す

また別の場所では、流れが小さなよどみに吸い込まれています。
波立ったその水は限りなく澄みきっていて、朝露の滴(しずく)のように清らかです。

そして、果てし無く回り続ける渦のように、くるくると回っています。

やがて下流に向かう流れに吸い込まれると、
ボコボコと幸せそうな音を立てながら、そのよどみから離れて行きます。

その様子はと言えば、しばらくの間閉じ込められていた、よどみから開放されて、喜びに満ちているかのようです。



(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 18. Kaliuwaa. Scene of the Demigod Kamapuaa's Escape from Olopana. From "The Hawaiian Spectator", p.193-199.