346 旧約聖書の歴史に似た伝説 (12. カネ神への奉納)

(前回からの続き)

あの月こそカネに違いない

「その日の夕方、ヌウは船を後にしました。
彼はカネ神への奉納物として、豚、ココナッツ、それからアヴァを、携(たずさ)えていました。

大空を見上げると、そこには月が見えました。
彼はそれが神だと思い、こんな独りごとを言いました。

『あなたがカネ神ですね。きっとそうに違い無い!
あなたは、私の目に入り易いようにと、姿を変えたのですね。』

そこで彼は、月に祈りを捧げて、携えて来た奉納物をお供えしました。


カネが虹の上を降りて来る

すると、カネが虹の上を通って降りて来ました。
そして咎(とが)めるように、ヌウに言葉をかけました。
 
ヌウは自分の過ちを許してくれるよう、カネに請願しました。
こうしてヌウは、罰を免れたのでした。」
・・・

(次回に続く)
[目次へ戻る]


(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 1. Legends Resemblng Old Testament History. By C. M. Hyde, p.15-30.
(*2) Abraham Fornander(1878): An Account of The Polynesian Race, its orgin and migrations and --, Vol.1. p.42.