356 旧約聖書の歴史に似た伝説 (22. 第二の仮説(その一))

(前回からの続き)

第2の仮説

「 もう1方の仮説はこうです(*1)。

それは、はるか昔のある時期のことでした。

散り散りになった古代イスラエル人の一団が、直接、ハワイの島々にやって来ました。
もしくは、『ポリネシア人』が大移動を始める前の、マレーシアにやって来たのです。

そこで彼らは現地の人々に、様々(さまざま)な知識を分け与えました。
彼らの教義、すなわち宗教上の真理とされる教え、彼らの祖先の初期の生活、そして、彼らの独特の慣習などです。

そしてこれらの教えは、そこに心の支えを見い出した現地の人々により、受け入れられて来たのです。

こちらは信頼性が高い

未だ証明されていないのは、唯一(ただひとつ)、『彼らがこの件に関わったこと』だけです。
--換言すれば、もしもこれが証明されれば、失われ、忘れられた民族についての証明は終了です。

26世紀もの長い沈黙の後とは言え、イスラエルの失われた支族の民族的な謎を、幾らかでも解き明かすことは、依然として十分意味があります。


この第2の仮説は間違いなく、真実である可能性がより一層高いものです。
ですからスペイン仮説のように、素っ気なく棄て去ることは出来ません。
. . .


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 1. Legends Resemblng Old Testament History. By C. M. Hyde, p.15-30.
(*2) Abraham Fornander(1878): An Account of The Polynesian Race, its orgin and migrations and --, Vol.1. p.101-102.