(前回からの続き)
すなわち、かつて広く知られた共通の伝説の、1つもしくはシリーズ物を基にして、独自に作られた伝説なのです。
さて、この共通の伝説は、ある時期まで原形を保持したまま、クシュ人、セム人、ツラン人、およびアーリア人により、守られていました。
ところがある時期に、人々の生活と他の諸要因が変化すると、
各地域に特有の新しいテーマが、最前面の目立つ位置に掲げられました。
そして、この変化が少しずつ定着して、社会制度や信仰に反映されて行きました。
その結果、広く知られた共通の伝説という、あの壮大な先祖伝来の家宝は(N.1) 、
各地域に特有の社会的・宗教的な雰囲気に覆われたり、また、その色合いが濃くなったりしました。
このようなことを経験しながら、各地域の伝説は今の今まで生き続けて来たのです。
『ポリネシアの伝説を持ち込んだのは、戦いに敗れたヘブライ人であり、彼らはイスラエル王国もしくはユダヤ王国からの、逃亡者もしくは移住者だった。』
しかしこれに加えて、より一層大切な理由があります。すなわち、
『 ソロモンの王国の優れた統治機構と華麗な繁栄ぶり、彼の神社、そして彼の知恵が、
彼の時代の後には、東洋の国々で良く知られるようになった。
ところがこれらの全てについて、ポリネシアの伝説は固く口を閉ざしている。』」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) 壮大な先祖伝来の家宝 (grand old heirloom):
ここで言う 「壮大な先祖伝来の家宝」とは、旧約聖書を指していると考えられます。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 1. Legends Resemblng Old Testament History. By C. M. Hyde, p.15-30.
(*2) Abraham Fornander(1878): An Account of The Polynesian Race, its orgin and migrations and --, Vol.1. p.103.
新約聖書の伝説から各地域の伝説が生まれた
他の伝承のコピーであるどころか、それらは実際には、独自のオリジナル版です(*1)(*2)。すなわち、かつて広く知られた共通の伝説の、1つもしくはシリーズ物を基にして、独自に作られた伝説なのです。
さて、この共通の伝説は、ある時期まで原形を保持したまま、クシュ人、セム人、ツラン人、およびアーリア人により、守られていました。
ところがある時期に、人々の生活と他の諸要因が変化すると、
各地域に特有の新しいテーマが、最前面の目立つ位置に掲げられました。
そして、この変化が少しずつ定着して、社会制度や信仰に反映されて行きました。
その結果、広く知られた共通の伝説という、あの壮大な先祖伝来の家宝は(N.1) 、
各地域に特有の社会的・宗教的な雰囲気に覆われたり、また、その色合いが濃くなったりしました。
このようなことを経験しながら、各地域の伝説は今の今まで生き続けて来たのです。
これには反論がある
イスラエル仮説は採用出来ない、と主張する一般的な理由はこういう事です。『ポリネシアの伝説を持ち込んだのは、戦いに敗れたヘブライ人であり、彼らはイスラエル王国もしくはユダヤ王国からの、逃亡者もしくは移住者だった。』
しかしこれに加えて、より一層大切な理由があります。すなわち、
『 ソロモンの王国の優れた統治機構と華麗な繁栄ぶり、彼の神社、そして彼の知恵が、
彼の時代の後には、東洋の国々で良く知られるようになった。
ところがこれらの全てについて、ポリネシアの伝説は固く口を閉ざしている。』」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) 壮大な先祖伝来の家宝 (grand old heirloom):
ここで言う 「壮大な先祖伝来の家宝」とは、旧約聖書を指していると考えられます。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 1. Legends Resemblng Old Testament History. By C. M. Hyde, p.15-30.
(*2) Abraham Fornander(1878): An Account of The Polynesian Race, its orgin and migrations and --, Vol.1. p.103.