390 カレレアルアカ(11.義父に葬られる)

(前回からの続き)

6ヶ月の別れを告げる

翌日、あらゆる友人たちと近所の人たちが集まりました(*1)。

彼らは座って暇を持て余すと、お互いに小声でこんな風に語り合いました。
「これが例の男だね、--- あのワイルアの神社の祭壇上に奉納されていた。」

夕闇が迫ると、彼は皆に 「アロハ!」 と別れの挨拶をして、こう言いました。

「これから6ヶ月間は、皆さんとお別れです。
しかし、あなた方が私の指示に従えば、私の体はあなた方と一緒に居続けるでしょう。」

そして妻とキスをし終えると、彼は夢溢(あふ)れる聖なる、ニオロカプの睡眠に入りました。

義父に葬られる

それから第6日目、義理の父が言いました。
「悪臭を放つといけないので、お前の夫を埋葬しよう。

私が彼の話を聞いた時、それは単なる普通の睡眠のことだろう、と思った。
しかし今の状況から判断すると、それは通常のどこにもある死だ。

よく見なさい。彼の体は硬直しており、肌は冷たく、そして彼は呼吸をしていない。
これらが、彼が死んでいることの証拠だ。 」

しかしマカカラニはこの父の言葉に、異議を唱えました。
「私は彼を埋葬などさせません。彼がここで横になるのを許して下さい。

そうすれば、彼が命令したように、私が彼の世話をしましょう。
この彼の命令は、お父様も聞きましたよね。」

しかし妻の真剣な抗議にも拘(かかわ)らず、非情な義父はコアリ(convolvulus)の強い蔓(つる)を集めて、カオペレの足に縛り付けました。


それから、その蔓に重い石を幾つも結び付けると、彼の体をカヌーに積み込ませました。
こうして義父は彼の体を、カウアイ島とオアフ島の中ほどの、暗い海域に沈めました。

マカラニは夫の不幸を嘆きながら生きて来ましたが、やがて彼女に子供が生まれました。
そして、それが男の子だったので、彼女はその子をカレレアルアカと呼びました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.