394 カレレアルアカ(15.オアフ島へ向けて出発)

(前回からの続き)

はるか彼方に見える島

ある晴れた静かな夕方、じっと海を見つめていたカレレアルアカが、はるか彼方にオアフ島を発見しました(*1)。

それは、しばしばはっきりと、カウアイ島から見えるのですが、彼は父にこう尋ねました。
「目の前に目だって見えるあれは、何と言う島なの?」

カオペレはその若者に、こう話して聞かせました。
「あれはオアフ島だよ。 

水鳥のように大海に泳ぎ出ているのがカエナ岬、そして、その向こうで後退している海岸線がワイアナエだ。 」
彼はこんな風に、その島について息子に説明しました。


オアフ島へ向けて出発

その結果、カレレアルアカの冒険心が燃え上がり、彼はこの未だ見ぬ島を自分自身で探検したくなりました。
そこで彼はその願いを、父に伝えました。

カレレアルアカが言ったり行ったりしたことは、父カオペレから見ると、どれも皆素晴らしいことでした。

そこで、彼は直(す)ぐさま作業に取りかかり、間もなくすると、1艘のカヌーの装備が完了しました。
そのカヌーたるや、もしもカレレアルアカが望めば、長い旅にも出発出来そうなほど、素晴らしいものでした。

カレレアルアカは旅の道連れに、カルヘと言う名の唯(ただ)の少年を連れて、カヌーに乗り込みました。
そしてパドルの2漕ぎで、彼のカヌーの船首がワイアナエの砂浜に乗り上げて、軋(きし)んだのでした。

(次回に続く)
[目次へ戻る]

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.