398 カレレアルアカ(19.耕して種を蒔く)

(前回からの続き)

耕(たがや)して種を蒔(ま)く

さて、カレレアルアカは仲間に呼びかけて、こう言いました。
「気力を振り絞って、土地を耕しに行こう。」

彼らはこれに同意して、各々が自分の土地の区画で、自分のやり方で働き始めました。
カレレアルアカが用意した土地は、細くて大変長い区画で、山から海に向かって伸びていました。

彼はその日のうちに、自分の区画の障害物を撤去し、さらに、苗を植えて種を撒き終えました。
しかし彼の2人の仲間は、障害物撤去に数日かかり、その後、苗植・種撒きにも数日を費やしました。

食物は豊富だった

若者たちが山の家に住んでいた頃、その地域では食物はふんだんにありました。
その中で、カレレアルアカと仲間たちが不足したのは唯1つ、動物性食物 (文字通り「魚」)でした。

しかし人々はあれこれ努力して、魚の代わりにハーブ、すなわちポポロの柔らかい葉などを使って、ホウレンソウと同じように調理しました。
そしてまた、ククイのナッツをローストして作ったイナモナも活用しました。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.