402 カレレアルアカ(23.王が一部始終を話す)

(前回からの続き)

彼らの望みを王が聞いた

実のところ、彼らが語り合い互いに望みを打ち明けていた時、王カクヒヘワは既にそこに到着しており、家の外でずっと、彼らの会話に聞き耳を立てていました(*1)。

彼らの会話を聞き終えると、王はカレレアルアカの家の囲いの外で、彼の長槍を地中深く突き刺しました。
さらに長槍の脇に石の武器(パホア)を置くと、すぐさまプウロアの邸宅に戻りました。


その夜、自宅に着いた王カクヒヘワは、給仕長らにご馳走の準備をするよう命じました。
それから彼の首長や宴会仲間を招集して、「夕食でも食べよう。」 と言いました。

王が一部始終を話す

あらゆる準備が整って彼らが席に着くと、王が言いました。
「食べようか、それとも話し合おうか?」

彼らの中の1人が答えました。
「もしも王の御意に叶(かな)うならば、多分、最初に王がお話しされた方が良いでしょう。

恐らくそれは、王が言わねばならぬことであり、生死に関わるある重大問題でしょう。
ですから、王にお話しして頂き、我々がお聞きしましょう。」

そこでカクヒヘワは彼らに、あの山岳地帯に見える灯り、そしてカレレアルアカとスローベンの望み、に係わる一部始終を話しました。

すると、兵士たちが声を張り上げて、こう言いました。
「殺せ!この男は当然死刑だ。だが、もう1人の方は生かしてやろう。」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.