405 カレレアルアカ(26.割礼の儀式を受ける)

(前回からの続き)

元帥(げんすい)が迎えに来る

家が完成して何もかも準備が整い、ちょうど今、元帥マリウハアイノが、大志を抱く青年カレレアルアカの家の前に到着したところです(*1)。

元帥が大声で叫びました。
「ケイノホオマナワヌイ、外に出て来い!」

そこで彼は、恐怖に震えながら出て来ました。

「カレレアルアカ、外に出て来い!」
すると彼は最初に少年カルへを送り出し、それから彼自身、素晴らしい青年、が姿を表わして、彼らから離れた位置に立ちました。

元帥は立ったまま、困惑しながらも敬愛の眼差しで、じっと彼を見つめました。

そして平静さを取り戻した時、元帥はカレレアルアカにこう言いました。
「私の背中にお乗り下さい、そして山を降りましょう。」

「いや、」と、カレレアルアカが言いました。
「私は自分の力で行くので、あなたは是非先に歩いて下さい。私は後から行きましょう。

けれども振り向いてはいけません。あなたが死んでしまうといけないから。」

割礼(かつれい)の儀式を受ける

彼らが下り始めるや否や、カレレアルアカはヘレマノのクアイクアへ運ばれました。


そこで彼は泉に飛び込んで、体全体を洗い流しました。それが済むと、次に先祖の霊(アウマクア)に呼びかけました。

すると霊たちがやって来て、彼の割礼の儀式を行いましたが、その間、稲妻がピカッと光り、雷が鳴り、そして大地が揺れていました。

カオペレは、カウアイ島でこの激しい雷鳴を聞いて、驚きの声を上げました。
「ああ! 我が息子がお清めの儀式を受けた。--- 神々の子が、これから土地の統治者(アリイ・アイモク)に会いに行くのだ。」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.