407 カレレアルアカ(28.王に歓待され娘を妻にする)

(前回からの続き)

カルヘは彼の可愛い友

彼らが海岸地方に到着した時には何もかも準備が整い、人々は彼らを待ち侘(わ)びていました(*1)。

大きな声がこう叫びました。
「さあ、これがあなたの家です、ケイノホオマナワヌイ。」

そこで不潔野郎がすぐさま中に入って見ると、彼が欲しかったウツボが幾束もあり、また、ジャガイモは既に調理されて、彼が自由に使える状態でした。

しかしカレレアルアカは違いました。
「どうぞお入り下さい! これがあなたの家です。」 と招かれた時、彼は自分だけのために準備されたその家に入ることを、厳然(げんぜん)と辞退しました。

それは偏(ひとえ)に、彼の可愛い友カルヘのためでした。

カルヘは、カレレアルアカのためにルアウを調理し、またククイ・ナッツを焼いて来ましたが、その中でしばしば目に煙を浴び、悩まされて来ました。
その彼がこの招待から外れており、彼のためには何も用意されなかったことを、カレレアルアカが知ったからです。

王に歓待され娘を妻にする

カルヘを招く準備が十分に整った時、カレレアルアカと可愛い友は家の中に入り、食事を取るために座りました。

王は自らの手でカレレアルアカにアヴァを注(つ)ぎ、また、彼が口をゆすげるようヒョウタン容器に水を入れて持って来ました。
更にまた食物を勧(すす)めて、彼が望む料理が全て揃(そろ)うまで、もてなし続けました。

さて、カレレアルアカがアヴァのお陰で、かなり酔いが回り眠くなり始めた時、足の不自由な元帥が入って来て、彼をカクヒヘワの2人の娘たちの所へ連れて行きました。
その時以来、この2人の愛らしい少女たちは、ずーっと彼の妻でした。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.