(前回からの続き)
「クアリイがモアナルアで戦いを仕掛けています。」
カクヒヘワの兵士たちは素早く出征の準備をしました。そしてケイノホオマナワヌイも、彼らに混じって戦闘に加わろうとして、出て行きました。
足の不自由な元帥は、既にその前の晩には、戦場に向けて出発していました。
戦いの日の朝、カレレアルアカは妻たちにこう言いました。
「是非とも小海老(コエビ)と苔(コケ)を幾らか欲しいんだ。それは、ある特別な方法で取らないとだめだ。それ以外の物は何も食べたくないんだ。」
そこで彼女らは言われるがままに、彼の好物を手に入れようと、直ぐに準備を始めました。
そこから彼がナペハに飛ぶと、足の不自由な元帥マリウハアイノがちょうど戦場に向かう途中で、苦しげに丘を登っていました。
カレレアルアカが元帥に陽気に声をかけると、こんな会話が始まりました。
カ. 「マリウハアイノ、あんた重い足取りで、何処へ向かっているんだい?」
マ. 「何だと! あなた、戦争のことも知らんのか?」
カ. 「よーし、背負ってあげるよ。」
マ. 「おー、何と速いんだ! それであなた、何処(どこ)から来たんだ?」
カ. 「ワイアナエからだよ。」
マ. 「なるほど、あなたのレイを見て分かったよ。
そうだ、あなたは私を背負ってくれた。だから、ワイアナエはあなたにあげよう。」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) マイレ・ラウリイ (Maile laulii):
ワイアナエのコイアヒ(Ko'iahi)で取れるマイレ・ラウ・リイの葉は、香り高いことで知られ、オアフ島で取れる数多くのマイレの中でも最高、と言われていたそうです。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.
敵が攻めてくる
こうして彼らが楽しく暮らして、恐らく30日間ほど(ヘ・マウ・アナフル)が過ぎた時、ある使者が到着してこう知らせました(*1)。「クアリイがモアナルアで戦いを仕掛けています。」
カクヒヘワの兵士たちは素早く出征の準備をしました。そしてケイノホオマナワヌイも、彼らに混じって戦闘に加わろうとして、出て行きました。
足の不自由な元帥は、既にその前の晩には、戦場に向けて出発していました。
戦いの日の朝、カレレアルアカは妻たちにこう言いました。
「是非とも小海老(コエビ)と苔(コケ)を幾らか欲しいんだ。それは、ある特別な方法で取らないとだめだ。それ以外の物は何も食べたくないんだ。」
そこで彼女らは言われるがままに、彼の好物を手に入れようと、直ぐに準備を始めました。
元帥を背負い戦場へ
彼女らが出かけてしまうや否(いな)や、カレレアルアカはワイアナエヘ飛び、その地の特産物である、小さな葉のマイレ(マイレ・ラウリイ)で作ったレイで盛装しました(N.1)。そこから彼がナペハに飛ぶと、足の不自由な元帥マリウハアイノがちょうど戦場に向かう途中で、苦しげに丘を登っていました。
カレレアルアカが元帥に陽気に声をかけると、こんな会話が始まりました。
カ. 「マリウハアイノ、あんた重い足取りで、何処へ向かっているんだい?」
マ. 「何だと! あなた、戦争のことも知らんのか?」
カ. 「よーし、背負ってあげるよ。」
マ. 「おー、何と速いんだ! それであなた、何処(どこ)から来たんだ?」
カ. 「ワイアナエからだよ。」
マ. 「なるほど、あなたのレイを見て分かったよ。
そうだ、あなたは私を背負ってくれた。だから、ワイアナエはあなたにあげよう。」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) マイレ・ラウリイ (Maile laulii):
ワイアナエのコイアヒ(Ko'iahi)で取れるマイレ・ラウ・リイの葉は、香り高いことで知られ、オアフ島で取れる数多くのマイレの中でも最高、と言われていたそうです。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.