413 カレレアルアカ(34.戦いは明日だ)

(前回からの続き)

戦いは明日だ

ある日、再び、こんな情報が届きました。
「クアリイがクラオカフアに攻めて来ており、戦いは明日になるだろう。」

そしてあの足の不自由な男は、いつものように前日の夕方に出発しました。

その日の朝、カレレアルアカは妻たちを呼んで、こう言いました。
「お前たち、何処(どこ)にいるのだ?

目を覚ましなさい。鶏(にわとり)を焼いて欲しいんだ。
こんな風にするんだ。そうだ、引っ張り出すんだ。

鳥は切り開くんじゃないぞ。そいつの内蔵は、尻の穴から抜き取るんだ。
次にその同じ穴から、タロイモの若葉を詰め込んで、蒸し焼きにするんだ。

絶対に、切り開くんじゃあないぞ。でないと、その味が台無しになってしまうんだ。」

コウラウの地を与える

彼女らが家を出ると、彼はすぐさまカフクへ飛びました。

そこで首にはパンダナスの果実で作ったレイを掛けて飾り、また頭にはサトウキビの花を付けて飾りました。
こうして彼は容姿を完全に変えて、あたかも灰色の髪の老人のようになったのでした。


そして前の時と同じように、足の不自由な男の後ろで一息つくと、挨拶代わりに男の背中をポンと叩(たた)きました。
それからその男を優しく抱き上げると、プオワイナに降ろしました。

この親切な行為のお礼として、足の不自由な男は、彼にコオラウの地を与えました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.