414 カレレアルアカ(35.第3の男も素晴らしい)

(前回からの続き)

敵将を倒して家に戻る

この戦いにおいて、彼はまず始めに、自分を嘲笑ったカクヒヘワ軍の兵士たちを殺しました(*1)。

次に、クアリイの戦士たちとの戦いに挑み、敵を落雷の如く打ち倒して、驚くべきパワーを見せ付けたのでした。

そして遂にクアリイ軍の大将の所まで攻め込むと、彼は大将を殺してフェザー・クロークとヘルメットを奪い取り、さらに手の小指と足の指を切り取りました。

これらを抱えると、彼はあの足の不自由な男の所へ飛ぶように走り、男を抱き上げると大空を飛んでワイピオまで運び、ワイパフの水が噴き出す直ぐ下に降ろしました。

家に着いたカレレアルアカは、戦利品を片付けた後、横になって寝ました。

妻たちが不平不満をぶつける

彼が数時間ほど眠った時、妻たちが酷(ひど)く不機嫌そうにやって来て、「あなたのお肉が焼けました。」 と言って彼を起こしました。

しかしカレレアルアカは、唯(ただ)こう答えるだけで、それを食べようとしませんでした。
「あんまり遅いので、もう食欲が失せてしまった。」

これを見て、妻たちが言いました。
「やれやれ。所であなたは、私達が働く事に慣れている、と思っているのですか?

私達は王の娘らしく、働かずに生きて行くべきなので、召使いたちが食べ物を準備し終えてから、私達が出て行ってそれを食べるべきなのです。」

兵士たちが戻り、元帥が王に報告する

ご婦人方は依然として、ぶつぶつと不平不満を言っていましたが、その時、兵士たちが、ケイノホオマナワヌイのパワーを誇らしげに話しながらやって来ました。

そして、カレレアルアカの家の入口を通り過ぎながら、こう言いました。
「もしも、戦争の最中(さなか)に家でぶらぶらしている、此奴(こやつ)の2人の妻が、ケイノホオマナワヌイのような、勇敢で堂々とした戦士の妻になっていたら、どれだけ良かったことか。」

太陽がちょうど海の向こうに沈みつつある時、足の不自由な男の足音が王の家の入口で聞こえると、男は家の中に入って腰を下ろしました。

暫(しばらく)くして、王が戦いについて尋ねると、彼は次のように答えました。

この第3の男の英雄的な勇敢さと技量は、以前の2人よりもっと凄(すご)いが、この3人は皆お互いに似ていました。

「しかし今日は、最初に 彼を嘲笑った者たちを殺して、彼らに仕返しをしました。
それからクアリイ軍の大将を殺して、フェザー・クロークとヘルメットを奪いました。

また、私が帰る時に、はるばるワイパフまで私を運んでくれました。」


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.