(前回からの続き)
「クアリイが、ヌウアヌのカハパアカイと呼ばれる場所に、軍を配備している。」
マリウハアイノはすぐさま彼の部隊を結集し、その日の夕方には戦場に向けて出発しました。
その翌日の朝早く、カレレアルアカは妻たちを呼び起こして、こう言いました。
「朝食にしよう。
但し、君たち2人は、君たち自身の家で、静かに食べるのだ。
そして私は私の家で、犬たちと一緒に食べる。
だから、私が君たちを呼ぶまでは、私の家に入るんじゃあないぞ。」
そこで彼女らは言われた通りに、彼女ら自身の家に行き、彼女たちだけで朝食を食べました。
一方、カレレアルアカは彼自身の家で、カルヘに命じて犬たちを興奮させ、彼が戻るまで吠え続けさせました。
そのすぐ後に、彼はそこを飛び去って、カパカコレアに降りました。
彼はここで、あの足の不自由な男に追い付き、いつもの挨拶を交わすと彼を抱き上げて、ワオラニと呼ばれる所に降ろしました。
それが終わると、クアリイの兵士たちの中に入り込み、膨大な数の兵士たちを虐殺しました。
彼は次に後ろを振り返り、ケイノホオマナワヌイを捕(つかま)えて投げ飛ばすと、こう尋ねました。
「お前、どうして、片目が見えなくなったのだ。」
これに答えてスローベンが言いました。
「失明したんだ。オロパナと戦って、長槍で突き刺されたのさ。」
するとカレレアルアカが言いました。
「そうだ、如何(いか)にも。
お前と私が一緒にワイルクに住んでいる間、お前が流れの一方の側に居て、私はその反対側に居た。
そこで、ククイの実が炎の中で弾(はじ)けたことがあったが、お前の目を潰(つぶ)した長槍とは、まさにこの事だ。」
これを聞いたスローベンは、恥ずかしさの余り、顔を伏せました。
カレレアルアカが彼を捕らえ処刑しようとしたその時、スローベンの長槍がカレレアルアカの左腕肉厚部を深く突き刺したので、その長槍を引き抜いた後も、先端部分が傷の内部に残ったのでした。
カレレアルアカはケイノホオマナワヌイを殺して、その首をはねました。
そして、足の不自由な男のもとへ走ると、その足下に戦利品を置いてこう言いました。
「マリウハアイノよ! 貴方(あなた)にケイノホオマナワヌイの首を贈ります。」
これが済むと、彼は再び敵と戦い始めました。
そして大虐殺を更に続けて、遂にクアリイ軍の大将の所まで攻め込むと、大将を殺してフェザー・クロークとヘルメットを奪い取りました。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.
私が呼ぶまで家に入るな
数日後、また、こんな情報が届きました(*1)。「クアリイが、ヌウアヌのカハパアカイと呼ばれる場所に、軍を配備している。」
マリウハアイノはすぐさま彼の部隊を結集し、その日の夕方には戦場に向けて出発しました。
その翌日の朝早く、カレレアルアカは妻たちを呼び起こして、こう言いました。
「朝食にしよう。
但し、君たち2人は、君たち自身の家で、静かに食べるのだ。
そして私は私の家で、犬たちと一緒に食べる。
だから、私が君たちを呼ぶまでは、私の家に入るんじゃあないぞ。」
そこで彼女らは言われた通りに、彼女ら自身の家に行き、彼女たちだけで朝食を食べました。
一方、カレレアルアカは彼自身の家で、カルヘに命じて犬たちを興奮させ、彼が戻るまで吠え続けさせました。
そのすぐ後に、彼はそこを飛び去って、カパカコレアに降りました。
彼はここで、あの足の不自由な男に追い付き、いつもの挨拶を交わすと彼を抱き上げて、ワオラニと呼ばれる所に降ろしました。
スローベンと敵将を倒す
この日、彼が最初に行った事は、家の入口で彼を罵(ののし)った奴らを、叩(たた)き殺すことでした。それが終わると、クアリイの兵士たちの中に入り込み、膨大な数の兵士たちを虐殺しました。
彼は次に後ろを振り返り、ケイノホオマナワヌイを捕(つかま)えて投げ飛ばすと、こう尋ねました。
「お前、どうして、片目が見えなくなったのだ。」
これに答えてスローベンが言いました。
「失明したんだ。オロパナと戦って、長槍で突き刺されたのさ。」
するとカレレアルアカが言いました。
「そうだ、如何(いか)にも。
お前と私が一緒にワイルクに住んでいる間、お前が流れの一方の側に居て、私はその反対側に居た。
そこで、ククイの実が炎の中で弾(はじ)けたことがあったが、お前の目を潰(つぶ)した長槍とは、まさにこの事だ。」
これを聞いたスローベンは、恥ずかしさの余り、顔を伏せました。
カレレアルアカが彼を捕らえ処刑しようとしたその時、スローベンの長槍がカレレアルアカの左腕肉厚部を深く突き刺したので、その長槍を引き抜いた後も、先端部分が傷の内部に残ったのでした。
カレレアルアカはケイノホオマナワヌイを殺して、その首をはねました。
そして、足の不自由な男のもとへ走ると、その足下に戦利品を置いてこう言いました。
「マリウハアイノよ! 貴方(あなた)にケイノホオマナワヌイの首を贈ります。」
これが済むと、彼は再び敵と戦い始めました。
そして大虐殺を更に続けて、遂にクアリイ軍の大将の所まで攻め込むと、大将を殺してフェザー・クロークとヘルメットを奪い取りました。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.