416 カレレアルアカ(37.クアリイが降伏する)

(前回からの続き)

クアリイは、彼の国を軍事面から支える、総大将が殺害されるのを見て退却して、ヌウアヌ渓谷に逃れるも、カレレアルアカに追われ、渓谷の一番奥で追い付かれてしまいました(*1)。


ここでクアリイは、こう言って降伏しました。
「命だけは助けてくれ。

私の領土は全てカクヒヘワに譲ろう。そして、私は彼の忠臣としてその地に住み、私が生きている限り騒ぎは起こさない。」

これに英雄が答えました。
「よくぞ言った! その条件で、お前を助けてやろう。」

だが、もしもお前が、たとえ如何なる時であれ、反乱を煽(あお)るような事があれば、お前の命はないぞ!
それでは、家に戻って静かに暮らしなさい。そしてコオラウでは 、どんな戦いであろうと、扇動したりするな。」

こう警告されると、クアリイは「深く青いコオラウの断崖」へ戻るために出発しました。

一方、足の不自由な元帥がスローベンの首を抱えて、重い足取りで家に向かっている間に、カレレアルアカは飛行を終えて自宅に舞い降りました。

そして、いつものように戦利品を片付けると、すぐさま大声で妻たちを呼んで、もう一度、彼の家に集まるように言いました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.