417 カレレアルアカ(38.傷跡の男を探す)

(前回からの続き)

翌朝、日差しが強くなって来た頃、ひどく興奮した様子で、足の不自由な男が王の家に着きました(*1)。
そして直ぐさま王から、戦いの結果について問われました。

「戦いは、完全に成功でした。」と元帥が言いました。

「しかし、ケイノホオマナワヌイが殺されました。
私が彼の首を持ち帰り、カラワオの山側にある祭壇上に据えました。

ところで、王にお勧めしたいことがあります。
すぐさまコナとコオラウの至る所に最速の使者を送り、全ての人々に、一箇所に集まるよう命ずるのです(N.1)。

そうしたら、私が彼らを入念に調べ上げて、あの男を見つけ出し、最も勇敢な男として褒め称えてやりましょう。

私はこれまでずっと、彼のことを特に注目しており、彼は今、左腕に傷を負っているのですから、その確かな傷跡を基に、必ずあの男を見つけ出します。」

さて、カクヒヘワの2人の最速の使者(クキニ)は、ケアケアラニとクヘレモアナでした。
彼らは大変俊足なので、午前中にオアフ島を6周、そして、丸一日ならば12周することが出来ました。

この2人が派遣されて、王の領土に住む全ての人々が呼び集められたのでした。

ワイアナエの人々はその同じ日にやって来て、プウロアの砂原で入念な調査を受けました。
しかし彼らの中には誰1人として、あの傷跡を持つ者はいませんでした。

次に、コナ、ワイアルア、そしてコオラウの人々が来ましたが、その男は見つかりませんでした。


(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) コナとコオラウ (Kona and Koolau):
コナとコオラウは共にハワイ語で、コナは島の風下側、そしてコオラウは風上側を意味します。

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N.B. Emerson, p.74-106.