028 神話 マウイが太陽を捕まえる(6.ここで戦うぞ!)

(前回からの続き)

コオラウから太陽が昇る




ハレアカラ山頂では、かつて巨大なクレーターから溶岩流が流れ出し、2つの大きなギャップ(谷)ができました。
その中の1つ、北北東に伸びるのがコオラウです。



マウイがコオラウの方向を見た、丁度その時のことです。
コウラウから太陽が昇り始めたと思うと、走るようにハレアカラ山の真上を通リ過ぎて、西に沈んでしまいました。

その様子をじっと見つめていたマウイは、「ここで太陽を捕(つか)まえてやる!」と心に決めました。


ハレアカラは太陽の家

「ハレアカラ (Hale-a-ka-la)」は、ハワイでは「太陽の家」を意味します。
ハレ(Hale)が家、 そして ラ(La)は太陽です。

La(または Ra) は、ポリネシア全域で太陽を指す語です。
さらに興味深いことに、Ra は古代エジプトの太陽の神でもありました。

マウイをあざ笑った男

「マウイが太陽を捕まえようとしている」と聞き、ある男はマウイをあざ笑って言いました。
「そんなこと出来るはずがない。お前のような浅はかな奴は、この世に2人といないぞ!」

すると、マウイは答えました。
「俺が太陽と戦って奴を服従さたら、次はお前を殺してやる!」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina.//IV. Maui Snaring the Sun.