(前回からの続き)
そのため、近くにいるマウイの姿も、見ることが出来ませんでした。
しかしお婆さんには、不自由な目を補う鋭い鼻がありました。
そして、周囲の匂いをクンクンと嗅ぎ、1人の男がいることを突き止めたのです。
「お前は誰だ? 一体、誰の所から来たのだ?」
マウイはお婆さんの目をじっと見つめ、礼儀正しく答えました。
「私はマウイです。ヒナのもとから来ました。ヒナは私の母です。」
すると彼女は、マウイに問いかけました。
「それで、ここに何しに来たのだ?」
マウイは、心を込めて一部始終をお婆さんに話しました。
「私は太陽を殺すために、ここに来たのです。
太陽があまりにも速く動くので、ヒナが一生懸命打って作ったタパが、少しも乾かないのです。」
それから、マウイの顔をのぞき込むようにして、こう言いました。
「この大きなウィリウィリの木の脇に、お前の隠れ家(かくれが)を作りなさい。
そして、あの山の上に太陽の最初の足が昇ってきたら、最初のロープで捕(つか)まえなさい。
2番目、3番目の足も同じ。 ロープを使い果たすまで、太陽の足を次々と捕まえるのです。
太陽を捕まえたロープの反対側の端は、このウィリウィリの木に縛り付けなさい。
そうして、太陽が動けないようにするのです。
その後に、お前に渡した魔法の石斧を取り出し、太陽の胴体を思い切り叩(たた)きのめしなさい。」
(次回に続く)
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; IV. Maui Snaring the Sun.
お婆さんがマウイを嗅ぎ分ける
お婆さんの目は、ほとんど見えません(*1)。そのため、近くにいるマウイの姿も、見ることが出来ませんでした。
しかしお婆さんには、不自由な目を補う鋭い鼻がありました。
そして、周囲の匂いをクンクンと嗅ぎ、1人の男がいることを突き止めたのです。
太陽と戦う決意を語る
お婆さんは、その男に向かって尋ねました。「お前は誰だ? 一体、誰の所から来たのだ?」
マウイはお婆さんの目をじっと見つめ、礼儀正しく答えました。
「私はマウイです。ヒナのもとから来ました。ヒナは私の母です。」
すると彼女は、マウイに問いかけました。
「それで、ここに何しに来たのだ?」
マウイは、心を込めて一部始終をお婆さんに話しました。
「私は太陽を殺すために、ここに来たのです。
太陽があまりにも速く動くので、ヒナが一生懸命打って作ったタパが、少しも乾かないのです。」
お婆さんの教え
これを聞いたお婆さんは、マウイに魔法の斧とロープを1つずつ与えました。それから、マウイの顔をのぞき込むようにして、こう言いました。
「この大きなウィリウィリの木の脇に、お前の隠れ家(かくれが)を作りなさい。
そして、あの山の上に太陽の最初の足が昇ってきたら、最初のロープで捕(つか)まえなさい。
2番目、3番目の足も同じ。 ロープを使い果たすまで、太陽の足を次々と捕まえるのです。
太陽を捕まえたロープの反対側の端は、このウィリウィリの木に縛り付けなさい。
そうして、太陽が動けないようにするのです。
その後に、お前に渡した魔法の石斧を取り出し、太陽の胴体を思い切り叩(たた)きのめしなさい。」
(次回に続く)
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; IV. Maui Snaring the Sun.