039 神話 釣り人マウイ(3.サンゴ礁の魚たち)

(前回からの続き)

サンゴ礁の斜面(礁縁部)

サンゴ礁の深海側の斜面は、色彩豊かな紅藻類(こうそうるい)に覆われて、あたかも森のようです(*1)。


この森に光が射しこむと、反射して色彩豊かな光の矢となり、押し寄せる波を貫いて突き進みます。

サンゴ礁の魚たち


美しい水たまりの深い所やサンゴ礁の下には、海藻の陰に隠れるように、ボラやレッドフィッシュが潜んでいます。
突然、その隠れ家から飛び出したと思うと、獲物をねらう猟師の前を素早く泳ぎ去ります。


めったに見れない彩り鮮やかで優雅な楽園の魚が、美しい姿を見せることもあります。


そしてまた、サンゴ礁に棲む黒と黄金色の魚の群れは、大きな波に乗るように泳いでいます。

ある時は、ごつごつと突き出た岩の周りを行ったり来たりします。
そしてまたある時は、岩の下のトンネルを通って、隣の水たまりとの間を行き来します。

一方、水面上では漁師たちが、槍で突いたり投網(とあみ)を打ったりして、懸命に魚を獲っています。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; Ⅱ.Maui the Fisherman.