045 神話 釣り人マウイ(9.ポリネシア全域で知られるマウイ)

(前回からの続き)

広くポリネシア全域で知られる

ところで、マウイのように半神と呼ばれる神は、世界中の色々な国々にいます。
その中でもマウイは、最も広範な地域で知られる半神、と言えそうです。

実際、マウイが神話に登場する国は、ハワイだけではありません。
ニュージーランド(マオリ族)、タヒチ、サモアなど、ポリネシアの多くの国々に、マウイ神話が残されています。



そして彼は、火を発見するなど文化英雄として、また、精神的な面よりも物理的な面でその力を発揮しました。

魚が獲れないのもマウイだけ

マウイは兄弟たちと、幾度となく沖合まで漁に出かけました。

そしてある時、兄弟たちは、マウイがトリックを使って自分たちをだましたことに、気付いたようです。
それ以来、沖合の漁場に船を出す時は、兄弟たちはマウイをカヌーに乗せなくなりました。

そのためマウイは、ますます魚が獲れなくなってしまいました。

困ったのは、日々の生活に必要な魚をマウイに頼っていた人々です。
やがて彼らは、マウイの漁獲が少ないことに、ブツブツ不平を言うようになりました。

これを見た母はマウイを叱り、兄弟たちはマウイを笑いものにしました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; Ⅱ.Maui the Fisherman.