088 民話 メネフネ・ヘイアウを造る(2.ハワイ島北端のモオキニ)

(前回からの続き)

スラムさんは、メネフネとヘイアウの関係につき、次のように述べています。
「メネフネは、ハワイの島々の各地で、数多くのヘイワウ(古代の神社)を造ったことで、高く評価されている。」

そして、その中から3つのヘイアウを取り上げて、簡単に解説しています。
以下では、それらを順にご紹介して行きましょう。

モオキニ・ヘイアウ

・すぐ近くの石は使えない!
ハワイ島の北端にあるコハラのホノイプ近くに、モオキニ・ヘイアウがあります(*1)。
このヘイアウは、メネフネたちの素晴らしい仕事の一例として、注目されています。

ヘイアウの建設場所として選ばれたのは、一面に草が生えた広大な平原でした。


さて、工事を始めようとした時、何かの理由で、すぐ近くの石はヘイアウに適さない、とされてしまいました。
そして、その代わりとして、20Km近く離れたポロル谷の石が選ばれたのです。

・メネフネたちが大活躍
言い伝えによると、ポロルからヘイアウを造るホノイプまでの全区間に渡って、メネフネたちが一列に並んだのだそうです。
こうして全ての石は、メネフネの手から手へと渡されて、はるばるホノイプまで運ばれたのです。


この気が遠くなるような作業は、夜の静寂と共に始まりました。
そして、翌朝、雄鶏が鳴いた時には、もう既に終わっていました。

たった一夜にして、モオキニ・ヘイアウが出来てしまったのです。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.