089 民話 メネフネ・ヘイアウを造る(3.ハワイ島ヒロ近傍のペペエケオ)

(前回からの続き)

メネフネが建てたもう一つのヘイアウは、ハワイ島東岸のヒロから、北に約10kmのペペエケオにあります(*1)。


その時のメネフネの仕事ぶりは、常識では理解できないほど不思議なものでした。

ここでは、その様子をご紹介しましょう。

人々は石を運ぶのに幾日もかかった

その昔、ペペエケオの地ではヘイアウを造ることになりました。

そこで首長の指示の下、その地に住む多くの人々が、石を集め運ぶ作業に取りかかりました。
それからというもの、人々は来る日も来る日も働き続け、ある日、遂に最後の石を運び終えました。

メネフネは一夜でヘイアウを完成させた

そしてその翌朝、首長をはじめ多くの人々が、気分を新たに作業場所に向かいました。
いよいよ今日から、運んだ石を積み上げる作業に入るからです。

ところが、その場所に着いた人々は、驚きのあまり声も出ませんでした。
目の前に、立派なヘイアウが建っているではありませんか!

メネフネたちが、あの膨大な数の石を、一夜のうちに積み上げてしまったのです。
そうです、彼らは一晩でヘイアウを完成させたのです。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.